4年 総合的な学習「海苔と関わる人々」
更新日:2025年6月4日
4年生は、総合的な学習で海苔の学習を進めています。
こどもたちは、3年生の時にも「大森の海苔」について調べました。
実際に大森 海苔のふるさと館へ行って海苔すき体験をしたり、グループごとに調べ学習を行ったりして、「海苔の作り方」や「海苔づくりの歴史」などについて学びました。
活動を通して、自分たちの住むこの地域と海苔との関係について興味を広げ、知識を深めることができました。
4年生では、その海苔についての学習を別の視点から考えていくことで、更に理解を深めていこうと考えています。そのキーワードになるのが「海苔と関わる人」という視点です。
大田区は、かつては日本一の海苔生産地を誇るほど海苔の養殖が盛んな地域でした。しかし、現在は昔と比べると、町と海苔との関わりが見て取れるわけではありません。
では、今の大田区の人々の心から、海苔は完全に消えてしまったのでしょうか。私たちの問いかけに対するこどもたちの予想は「No」でした。「きっと今でも大田区には、海苔について強い思いや願いをもって生活している人はいると思う。」その希望を胸に調べ学習を進めました。そして出会ったのが、大森駅の近くにある「守半海苔店」です。
お店の様子をタブレットで調べてみると、「店構えから歴史を感じるね。」「きっと高級な海苔を売っていると思う。」といった声が聞かれました。さらに、調べ学習を進める中で、スーパーで売っている海苔と、何か違いがあるのかという疑問が生まれました。もちろん、「どちらの海苔も美味しい」ということはわかっています。そこに、どれだけの違いがあるのか、今回の授業では、実際に海苔を食べ比べてみることにしました。
初めこそ、喜びでテンションの上がっていたこどもたちでしたが、実際に食べ比べてみると、一気に真剣な表情になり、においや味に加え、口どけや舌ざわりにまで集中して違いを考えていました。一人一人が感じ取った「違い」は、付箋に書いて紹介し合いました。
「におい」「味」「食感」「見た目」という項目ごとに分別してみると、想像していた以上に違いがあることに気が付きました。
「守半海苔店の方が、海苔の味が濃い」
「どちらも香りはいいけれど、磯のにおいが守半の方が強い」
「口に入れた瞬間、守半海苔店の方がパリパリするのに溶けてしまった。」
貼り切れないほどの付箋が貼られたことも学びが充実していたことを物語っていました。
授業の最後にした、「どうして同じ海苔なのに、こんなにも違いが出るのだろう?」という投げ掛けに対しても、一生懸命に考えている様子が嬉しかったです。
この活動を通して生まれた新たな思いや疑問について、今後どのように学習を進めていきたいか、こどもたちの興味と好奇心を育てながら、実りある学習へとつなげていきたいと考えています。ぜひご家庭でも、海苔を食べ比べて気が付いたこと等を話題に挙げ、こどもたちの気付きに耳を傾けていただけたらと思います。